『大きさ』 (magnitude)

(D.) Größe (Fra.) grandeur (Ita.) grandezza

大きい,小さい

 いろいろな“もの”を区別するときに考える基本的な性質の一つが「大きさ」ですが,すべてのものに大きさを考えるとは限らず,また,大きさを考えるとしても,当然その定義は考えているものによって異なります。さらに,ひとつのものに複数の大きさを考えるときもあります。最も基本的な言葉の一つである「大きさ」は当然無定義用語です。
 あるものの大きさを表現するのに「大きい (big, large)」と「小さい (little, small)」という言葉がありますが,これらの言葉の使い方を考えると数学の意味が少し分かるかもしれません。たとえば,右上のの2つの三角形を考えるとき,
   オレンジ色の三角形は大きい
という文章はどう考えても命題とはいえません。2つの三角形を比べて,
   オレンジ色の三角形は青色の三角形より大きい
といえばいくらか命題らしくなってきましたが,三角形の大きさを周の長さで定義するのか,面積で定義するのか,あるいはそれ以外のもので定義するのかを決めておかなければ,まだ不完全です。
 長さも面積も実数を用いて表します。つまり,論理的に正確に表現しようとすると,を用いざるをえなくなります。
 (2018年1月13日改訂)