『公理』(axiom)

(D.) Axiom (Fra.) axiome (Ita.) assioma

公準 (postulate)

 ユークリッドは,証明をしなくてもすべての人が正しいと認めるであろうと考えられるいくつかの命題のうち,幾何学に固有のものを公準と呼び,より一般的なものを公理と呼びましたが,後にこれらを区別せずにまとめて公理と呼ぶようになりました。
 ただし現在の数学では,公理を「正しいと認められる命題」と考えるよりも,ある体系の出発点における一つの仮定であると考えるほうがふつうだと思います。数学では,一つの体系を創るとき,互いに矛盾しない限り,いくつかの公理を自由に定めることができます。
 科学では,公理に相当するものを原理とか法則とか呼ぶことが多いようですが,それらは科学者の経験と直感により帰納的に導かれるのがふつうです。ただし,それらの原理や法則の中には,後に,もっと基礎的な理論によって証明されるものもあります。
 いずれにしても,公理や原理あるいは法則はひとつの理論体系を作るときの出発点となる根本命題であることにかわりはありません。
 (2019年7月29日改訂)