定義域も終域も実数の集合であるような関数を考えます。
関数 において,
が
と異なる値をとりながら限りなく
に近づくとき,
が一定の値 α に限りなく近づくならば,
→
のとき
→ α
または,
と表し,α を が
に近づくときの
の極限値 (limits) といいます。
ただし,上の定義は直観的で分かりやすい反面,2度使われている“限りなく近づく”という言葉の意味があいまいなので,もっと正確に定義したいときは,ε-δ法と呼ばれる次の方法を用います。
任意の正の数εに対し,
「“ ならば
”
を満たす正の数 δ が存在する」
ならば,“ →
のとき
→ α” であるとする。
また, がある値
に限りなく近づくとき
の絶対値が限りなく大きくなる場合も,無限大という概念を用いて関数の極限を考えることができます。
さらに,数列の極限の場合と同様に, → ± ∞ のときの関数
の極限を考えることもできます。
(2019年6月19日改訂)