1)整数の除法
は任意の自然数,
は任意の整数とするとき,
=
+
,0 ≦
≦
- 1
を満たす整数 ,
がただ一組存在します。そこで,与えられた
,
に対して上の式を満たす
,
を求めることを
“を
で割る (divide) ” といい,
を除数 (divisor),この演算を割り算,または除法といいます。
なお, ≧ 0 の場合, “
を
で割ったときの商 (quotient) は
,余り (remainder) は
である” と言いますが,
< 0 の場合についてはよくわかりません。
負でない整数 を
で割ったときの余りが零のとき,
は
で割り切れるといいます。
2)複素数の除法
複素数 (実数を含む) の範囲では, ≠ 0 のとき,任意の
に対して
=
をみたす が存在するので,この
を,
を
で割ったときの商といい,商を求める演算を除法といいます。
を
で割ったときの商が
であることを
=
÷
または
と書きますが,国によっては
=
:
と書くそうです。なお,整数の除法に対しては “商” が2種類あることになるので,1)の整数の除法で定義した商を「整商」と呼んで区別しますが,混乱する心配がないときは,整商のことを単に商といいます。
3)除法の拡張
整式の除法など数以外のものに対する除法を考えるときもあります。
(2021年2月6日改訂)