『含意』(implication)

(D.) Implikation(インプリカツィオーン) 
(Fra.) implication(アンプリカショーン)  
(Ita.) implicazione(インプリカツィオーネ)

導出

zukei

 記号論理学で用いられる論理記号のうち,その意味が最も難しいものは含意,または導出と呼ばれる命題
     
で用いられている記号 → ではないかと思います。 は「 ならば 」と読むことが多いので, → は日常生活で用いる「ならば」と同じだと考えると迷路に迷い込む可能性があるからです。
 論理記号 → の意味を正確に示すには,言葉で説明したり使用例を紹介するよりも,次に示すような真理表で定義するのが正確です。
             
     真   真     真
     真   偽     偽
     偽   真     真
     偽   偽     真
つまり, が真で が偽のときだけ は偽であり,それ以外の3つの場合 は真です。とくに注意しなければならないのは, がともに偽のとき は真だということです。
 上の真理表から, の真偽は が偽であるか,または が真である)という命題の真偽とつねに同じであることがわかります。
 上に示した論理記号 → の定義に従うと,たとえば,
     「3が偶数」 → 「4は 100 より大きい
という命題は正しいことになり,これを
     「3が偶数」ならば「4は 100 より大きい」
と書くと,まったく奇妙な文章ですが,このような不自然な場合を含むにもかかわらず の真偽を上の表のように定義する理由は,高校の数学でしばしば「ならば」と読まれている記号 ⇒ の正確な定義や意味を考えるとき必要だからです。
  (2020年9月29日改訂)