『直交(している)』(orthogonal)

(D.) orthogonal 
(Fra.) orthogonal
(Ita.) ortogonale

 日本語の「直交」は直角に交わるという意味であり,英語の orthogonal は等しいという意味なので,もともと,1点で交わる2本の直線 , が作る4つの角の大きさが等しいとき,2直線 , は直交する ( , are ortogonal) と言ったのだと思いますが,すると,直交する2直線は垂直なので,直交と垂直は多くの場合同じ意味で用いられます。
 たとえば空間において,直線 と平面αとが垂直であるとき, とαとは直交するともいい,2平面α,βが垂直であるとき,α,βは直交するということがあります。
 しかし,直交と垂直は完全に同じではありません。たとえば空間では,2直線が垂直であっても交わるとは限らないので,2直線が垂直で,かつ,交わっているときに限りその2直線は直交していると言うべきだと思います。実際,空間における直交座標系座標軸原点で交わっているので垂直ではなく直交という言葉を用いるのは自然であり,垂直座標系という呼び方はあまり聞きません。ただし,空間でも,2直線が垂直であることと直交することを区別しない場合もあります。
 なお,ベクトルでは位置を定めないので,交点を持つかどうかは意味がありません。そのため,平面でも空間でもベクトルについては垂直と直交とを区別せず,2つのベクトルの内積のとき,2つのベクトルは垂直であるとも,直交するともいいます。(零ベクトルでない2つのベクトルの内積が0のときに限り2つのベクトルは垂直であるという場合もあります。)
 (2020年8月2日改訂)